「30歳を超えた独身の娘が、病気になり実家に出戻ってくる」
世間的には恥ずかしいことなのでしょうか。退院後、実家に帰ると「平日は外なるべく外に出ないように」と母親に言われました。
私は、難病でありながら、一人暮らしをしていました。
しかし残念なことに、3度目の緊急入院からの100日の入院生活をおくる羽目となりました。その後、実家に出戻り、療養生活を過ごしています。
今回は、年老いていく親と、病気の娘について、実家療養生活のメリットとデメリットについて、執筆します。
目次
メリット
金銭的な負担が軽減
メリットは何と言っても、経済的な負担が軽減されることでしょう。
私は、傷病手当と健康保健組合の付加給付により、ありがたいことに就職中も十分に生活ができる収入があります。
それでも、これまでの一人暮らしを維持しながら、増加した医療費(月3万+交通費等)を支払っていくことは、経済的に大変だったと思います。
一人暮らしの賃貸マンションを解約して、引越したり、家具家電を処分したりするためにお金がかかりますし、元気になったときに再び賃貸マンションを借りるとなるとまた敷金・礼金などの初期費用が必要です。
これらの費用は決して安くはありませんが、一人暮らしをしていれば、絶対に必要な家賃や光熱費などの固定費が約10万円、毎月浮いてくると、支払いがとても楽になりました。
実家で生活する最大のメリットは経済的な問題ですね
家族という話し相手
病気の療養生活ですので、家で過ごすことが多くなると思います。家の中で一日中、一人で過ごしていると、絶対に気分が滅入ってしまいます。
ただでさえ、病気になったことを受け入れられずにいたり、仕事に復職することへの不安、これからの人生への不安、社会的疎外感など、辛い気持ちになりがちです。
そんな時に、家族という話相手の存在はとてもありがたいものです。
どうでもいい話をしたり、幼い頃の昔話をしたり、たわいもない話に、救われることが多くあります。
私の親は、今まで大きな病気をしたことがなく、親族にも持病を抱えた人はいません。そのため、私の病気、難病のことや私の気持ちを、全く理解してくれていないなっと思うことも少なくありません。何度説明しても理解してもらえなかったり、病気や障害を差別するような言葉を私に伝えてきたり、薬の副作用の脱毛に悩む私に「髪の毛を落とさないで」って本気で怒ってきたりetc…悲しい気持ちになることも少なくはありません。
でも、表面的な言葉がどうであれ、根本的な本質としては、「親は私のことを愛してくれている」と思うので、家族は本当にありがたい存在だと思っています。
デメリット
年老いた親は娘の看護をいつまでもできない
当然のことではありますが、親は年老いていきますので、いつまでも子供の面倒をみることができません。私は、一人暮らしをしていたのですが、一人で生活する自信がなく、退院後は実家で療養生活を送っています。家事など生活の負担が減ればいいと安易に考えていたのですが、私こそ、年老いた両親の面倒を見なければいけない現実!
現実は、厳しいようでした。
療養生活どころか家事負担が大きい
30歳にもなって恥ずかしくも私は、「母親に食事の準備をして欲しい」と思っていました。特に長期入院から退院したばかりでしたので、「食事ぐらい準備してくれる」そう思っていました。しかし現実は、私が食事の準備をすることが多いです。母親が、食事をすべて準備してくれることは、ありません。当たり前のことですが。
次第に、実家での家事負担が増え、一人暮らしの方がよっぽど家事負担が少ないのではないかと思うほどになりました。
病気よりも老化が優先される
病気であることよりも、老人であることの方が、優先されるようだと感じることが多いです。「若いから」そんなことで、必要な配慮をしてもらえずに、私自身も平気なふりをして、家事以外の負担も増えてきました。
でも、これから、両親は年老いていくことが避けられません。一人暮らしをしている時は、月に1回会う程度でしたので、「楽しいだけ」の時間を一緒に過ごしていたように思います。でも、一緒に生活することで、現実を共に過ごしているような、「親の介護」への不安を強く感じるようになりました。
親への思い
本当であれば、親孝行をしなければならない時期なのに、私は病気がちで、親に迷惑や心配をかけてばかりです。早く体調を整えて、旅行に行ったりしたいですね。
30歳にもなって、実家に出戻っていることを、とても情けなく思っている私に友人がかけてくれた言葉で、この記事を締めくくりたいと思います。
「実家なんだから、困った時に帰って当然じゃん!」
うん。家族なんだから、困った時は助け合おう。私も家族を助けられるように、強く生きたい。