ループス腎炎の治療
欧米における治療ガイドラインでは、セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil, MMF)の使用が寛解および維持療法において推奨されれいます。
日本国内では、2015年にセルセプト(MMF)が保険承認される以前は、寛解導入療法は、IVCY(シクロフォスファミド・エンドキサン)が使用されていました。
しかし、エンドキサン(IVCY)には、卵巣機能の不全・妊孕性など大きな副作用があり、大きな課題となっていました。
そんな中、国内でもSLEに対してセルセプト(MMF)が保険適用となり、現在は、エンドキサン(IVCY)より安全で有効性のある治療法であるとされています。
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寛解導入
ループス腎炎の寛解導入において、
セルセプト(MMF)は、
- エンドキサン(ICVY)同等の有効性が期待でき、
- 安全性はエンドキサン(ICVY)に比べ高い
と考えられているそうです。
ただ、日本においては、まだ十分な比較試験が実施されておらず、今後は一層のデータやエビデンスの蓄積が必要とでしょう。
寛解維持
- 3年後の死亡と慢性腎不全の割合を比較すると、セルセプト(MMF)、アザチオプリン(AZA)は、エンドキサン(IVCY)と比較して有意に少ない。
- 再発率を比較すると、セルセプト(MMF)は、エンドキサン(IVCY)と比較して有意に少ない。
- 感染症,卵巣機能障害の副作用は、セルセプト(MMF)、アザチオプリン(AZA)は、エンドキサン(IVCY)と比較して有意に少ない。
(日本内科学会雑誌2011年10月を参考にしました。)
すなわち、
寛解導入期においては、セルセプトはエンドキサンと同等の有効性があり、エンドキサンよりも安全性が高い。
寛解維持期においては、セルセプトは、死亡率・腎不全の割合、再発率や副作用などが有意に少ない。
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