高血圧の人において、生活習慣を見直しても血圧が下がらない場合などには、「降圧剤」による薬物治療が行われます。また、降圧剤の中には、「腎臓を保護する作用」を発揮する薬もあり、仮に高血圧でない場合でも、腎臓病の人に処方されることがあります。
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降圧剤の種類
薬物療法に用いられる降圧薬には、
- カルシウム(Ca)拮抗薬
- アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
- アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
- 利尿薬
- β遮断薬(含αβ遮断薬)
の5種類がありますが、今回は、私が処方されているアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の一つであるニューロタン(ロサルタン)について説明します。
ニューロタン(ロサルタン)
アンジオテンシンII受容体拮抗作用により、血圧を下げたり、蛋白尿を減らすなど腎臓を保護し、腎機能の悪化を抑える働きがあります。通常、高血圧症、高血圧および蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症の治療に用いられます。
効能・効果
- 高血圧症
- 高血圧及び蛋白尿を伴う 2 型糖尿病における糖尿病性腎症
(ニューロタンの添付書類には、「2.糖尿病性腎症」と記載されていますが、糖尿病以外を原疾患とする腎臓病・腎炎に対しても処方されることが多いようです。私自身は、膠原病の一つであるSLEを原疾患として服薬していますし、igA腎炎などの自己免疫疾患を原因とする腎臓疾患の病友の多くもARBなどの降圧剤を服薬していることが多いでです。)
クレアチニンの上昇に注意
以下の場合は、服薬を中止または減量することとされています。
ニューロタン(ロサルタン)を投与してから、
- クレアチニンの検査値が、30%(あるいは 1 mg/dL)以上増加した場合
- 糸球体ろ過値、 腎機能障害の進展速度が加速された場合
また、以下の患者は注意が必要です。
- 血清クレアチニンが2. 5mg/dL以上の人、重篤な人気の障害がある人
- 両側性腎動脈狭窄または、片腎で腎動脈狭窄の人
私の場合・・
私がニューロタンを服薬する前には、「タンパク尿が減る一方で、クレアチニンが上昇することが多い」と説明を受けました。
ニューロタン(ロサルタン)は腎臓の輸出細動脈を選択的に拡張させ、糸球体内圧を低下させることにより糸球体への過剰負荷を改善します。
イメージとしては、腎臓で濾過するザルの目を引き締めるので、タンパク質が排出されなくなると同時にクレアチニンも排出されにくくなるとの説明でした。
ただし、(私の場合は)ARB服薬によるクレアチニンの上昇は、薬剤性(一過性)のものなので、過度に重要視しなくても良いとのことでした。
副作用
国内の臨床試験では、高血圧症で約10%、糖尿病性腎症で約17%で副作用が報告されています。
- 頭痛
- めまい
- 嘔吐・嘔気
主な 臨床検査値異常は
- ALT(GPT)上昇
- AST(GOT)上昇
- CK(CPK)上昇
- 総コレステロール上昇
薬効薬理
降圧作用
ニューロタン(ロサルタンカリウム)は、血圧を下降させ、連続経口投与中安定した降圧効果を示す。また、血圧の下降に伴う心拍数の増加を認めず、投与中止に伴う血圧のリバウ ンド現象は生じない。
腎保護作用
ニューロタン(ロサルタン)は腎臓の輸出細動脈を選択的に拡張させ、糸球体内圧を低下させることにより糸球体への過剰負荷を改善する。
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