セルセプトの血中濃度と適切な維持量の決め方|SLE・ループス腎炎の治療体験談

免疫抑制剤の一つである「セルセプト(MMF:ミコフェノール酸モフェチル)」は、従来から「移植による拒絶反応」を抑制するために使用されていた薬です。

日本においては、2015年にループス腎炎への適応拡大が承認されており、SLE(全身性エリテマトーデス)、ループス腎炎の方は、服薬されている方も多いと思います。

セルセプトなどの免疫抑制剤は、患者によってその服薬量が大きく異なっています(個体に対する効果が人それぞれだそうです)。

そのため、何を基準に「セルセプトの服薬量を決めるのか?」。その一つの指標である「血中濃度について」セルセプト添付文書と主治医とのお話を元に、説明します。

>セルセプトについて詳しくはコチラ→標準治療と副作用

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セルセプトの血中濃度(腎移植患者)

セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)は、以前から腎移植患者に使用されてきた薬ですが、SLEへの使用は、2015年に承認されたばかりで、SLE患者を対象としたデータは十分にないそうです。

そのため、セルセプトの添付書類に記載されている「腎移植患者に対する血中濃度」を参考に、主治医はセルセプトの服薬量を決めているそうです。

血中濃度の目安

この表は、腎移植患者に、セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)を、1回500~2,000mgを1日2回反復経口投与したときの(簡単に言うと)血中濃度を示したグラフです。

注意:1日2回の服薬投与なので、例えば「朝2錠(1,000mg)夜2錠(1,000mg)と福安している場合は、右上の1,000mgのグラフを見てください

トラフ(服薬前・起床時など)で3~4程度を目指す

グラフをみていただくとわかるように、血中濃度はトラフ(一番低い時)とピーク(一番高い時)で大きく異なります。

そのため、一般的には、セルセプトを服薬する前のトラフの状態で判断するそうです。

入院中は起床時の朝食前、外来では薬を飲まずに採血して、血中濃度を測定しています。

あくまで、私が主治医から教えてもらった内容ではありますが、

トラフで3〜4が血中濃度の目安」だそうです。

私の場合、血中濃度は日によって大きく異なります

この血中濃度ですが、私の場合、日によって大きく異なるため、セルセプトの量の調節が大変でした。

ある日はトラフで14もあり「免疫を過剰に抑制しすぎている」と判断されても、服薬量を変えずに様子をみていると、翌週にはトラフで4まで下がっているということもありました。

血中濃度が下がりすぎて、ループス腎炎が暴走することも怖かったけれど、血中濃度が上がりすぎて、免疫を抑制しすぎる状態が続き、感染症や癌などになるリスクが高まることも怖かったです。

ご自身の血中濃度、ご存知ですか?





ご自身のセルセプトの血中濃度は、ご存知ですか?多くの方は、大学病院などの大きな病院に通院されていると思うので、おそらくセルセプトの血中濃度は測定されていると思われます。

ご存知でない方は、一度、主治医に尋ねられてはいかがでしょうか?

完治が難しい病気である以上、患者自身がしっかりと勉強して、医療リテラシーを高めていくことが、これからの生活、生きていく中で、自分自身を守っていくことにつながるのではないかと考えています。

ちなみに、プラケニルの血中濃度を測定する方法はないそうです。そのため、身長を元にした計算式で算出した量が服薬量として固定されるそうです。

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