全身性エリテマトーデスで入院してから、有名人や芸能人の闘病記をたくさん読んでいます。
中でも、NHKなどで活躍されていた黒木奈々さんの「未来のことは未来の私にまかせよう」という本は、心に響きました。
黒木奈々さんは、31歳で胃がんとなったそうです。私が、SLEとなったのと同じ年齢で、胃がんと出会われています。
彼女が癌を公表する前から、私は彼女に憧れていました。綺麗で品があり、努力家で、働く女性として、とても憧れていました。だからこそ、とても辛い気持ちになりました。
目次
黒木奈々氏の著書「未来のことは未来の私にまかせよう」
黒木奈々氏
1982年鹿児島県生まれ
英語とフランス語が堪能で、2014年「国際報道ステーション2014」キャスターとなる。
同年8月に胃がんと診断され、翌年にお亡くなりになる。
黒木奈々さんの胃がんの詳細は未公表ですが・・
黒木奈々さんが患われた胃がんの詳細については、正式に公表されていませんが、本文において「ステージIII」だったと想定されるかのような表現がありました。
お母様も乳がんを経験されており、治療を経て、ご健在のようです。乳がんのステージIIIで抗がん剤、放射線、ホルモン治療などフルコースで治療されたようです。
私の心を励ましてくれた言葉
検査や手術、投薬の間、つらいことがあるかもしれない。でもそれは病気を治すため。傷つけるためではない。つらいことがあるたびに一歩ずつ前へ進んでいる。
生きてさえいればなんとかなる。未来のことは未来の奈々ちゃんにまかせよう。
命はいただきもの。生かされている。奈々ちゃんにはまだやるべきことがある。一つにしがみつかないことが自分の領域を広げることになる
働く女性として共感できることばかり
黒木奈々さんは、アナウンサーを目指されていたものの、大学卒業後、順調にキャスターへの道を進まれた訳ではありません。記者などを経験して、やっとの思いで、国際報道ステーションのキャスターとなられたそうです。
その喜びはひとしおだったと思います。私も仕事が生きがいでしたので、努力し続けて、仕事やポジションをようやく得ることができた喜びは、分かる気がします。
そんな、仕事が絶好調だった時に見つかった癌。私の現状とよく似ていて、感情移入せずには、いられませんでした。
「元気なころは見なかったドラマやお笑い番組をよく見るようになりました」なんて記述や、レストランで突然泣いてしまった話、親へ八つ当たりしてしまったこと、職場や仕事への思いetc…まさに私の気持ちを代弁してくれているかのようにさえ思えました。
治療を優先する重要性
この本を読んでいて、強く感じたことは、「彼女はいつも仕事に復帰すること」を目標に治療をされていたのかなっということです。
仕事に早く復帰できるような治療を選択されているような印象を持ちました。
もちろん仕事復帰を優先した治療で成功して、早期に仕事に復帰して、キャリアを失うことなく、元の生活に戻っている人もいらっしゃると思います。
でも彼女は、違いました。もちろん結果論ですので、これ以上、何をどう言葉にしたら良いのか分かりませんが、彼女のお兄様の言葉、
正直、奈々の仕事なんてどうでもいい。奈々が生きてさえいてくれればそれでいい
心に大切にしたいと思いました。
命はみんな平等であるということ
このような表現が正しいのかは分かりませんが、素直に考えていることを書きたいと思います。
例えば、頑張れば、多くのことを手にいれることができます。
黒木奈々さんもアナウンサーを目指して、一生懸命生きてらっしゃったと思います。
留学して英語やフランス語が堪能で、美人で、一般的に「優秀」とされる人物だったと思います。
一方、勉強もせずに、中学すら通わずに、万引きをしてシンナーを吸って、生きている人でも、彼女より長生きしている人はたくさんいるでしょう。
私も思いました。私も人より努力して生きてきたつもりです。小学校から塾に通い、中学校で留学し、海外の大学に進学して、社会人になってからも表彰されるような成果を出してきました。
なんで私が病気になるの?
ドラッグしてる人が私の代わりに病気になってよ!
昨日、自殺した人が私の代わりにSLEになればよかったんだ!
なんでこんなに生きたくて、努力してきて、まだまだ頑張りたいことがある私が病気になるの!?
って何度も思いました。
だって、死にたい人が病気になればいいじゃん?
ドラッグして、自分の体痛めつけている人が病気になればいいじゃん?
不平等すぎるよ。
と考えていましたが、もしかしたら、「命はすべての人に平等」なのかもしれませんね。
個人の地位や能力などの属性に依存することなく、生きることと死ぬことは、平等な確率というか運命のようなものに、包まれているのかもしれません。
治療に専念しよう
この本を読んで、治療に専念する今を、恥じることなく、過ごそうと決意しました。
私が今回の治療により、仕事を休職しようと決めたのは、私の目標であるキャシー・松井さんの記事を読んだことがきっかけです。彼女も乳がんのサバイバーで、8ヶ月休職された後に復職した経験があるそうです。
私は、キャシー・松井さんの記事や今回紹介した黒木奈々さんの本、に励まされました。
働く若い女性が病気になったとき、励まされるような本や記事にたくさん出会ったので、また紹介できれば良いなと考えています。
このサイトに訪れてくださっている方の多くは、SLEなどの治療中の方でしょうか。
治療は傷つけるためではなく、治るための治療。
つらいたびに前に進んでいる。
この言葉を自分の心に大切にしたいです。
ステロイドや免疫抑制剤の大量投与、ムーンフェイスに骨が壊死したり骨粗鬆症になったりetc…たくさんつらいことがありますが、治るための治療、少なくとも元気になるための治療だと信じて。頑張ろう!
そして、絶対に治ると信じるのだ!
私も、ネガティブになったりポジティブになったり、感情の変化が忙しい毎日ですが(笑)私の毎日とみなさまの毎日が穏やかで豊かな時間となりますように。
未来のことは未来の私にまかせよう 31歳で胃がんになったニュースキャスター