免疫抑制剤「セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)」の標準的な治療方法と副作用|SLE治療記録ブログ

私は、全身性エリテマトーデス(SLE)・ループス腎炎の治療に、免疫抑制剤であるセルセプトを使用しています。

免疫抑制剤「セルセプト」(ミコフェノール酸モフェチル)

免疫抑制剤の一つである「セルセプト(MMF:ミコフェノール酸モフェチル)」は、従来から「移植による拒絶反応」を抑制するために使用されていた薬です。

日本においては、2015年にループス腎炎への適応拡大が承認されており、今回、私もループス腎炎の治療において投与している薬の一つです。

ループス腎炎は、自己免疫疾患であるSLE(全身性エリテマトーデス)に合併する難治性の疾患で、国内の患者数は約3万人と推定されています。SLEは、指定難病に選定されています。

この記事は、初めて免疫抑制剤やセルセプト(以下、MMF)を服薬される方を対象に、標準的な治療方法や副作用について、医療従事者向けの情報を分かりやすく解説しています。

SLEとループス腎炎の治療前に知っておきたい基本的なお話です。

ループス腎炎について詳しくは次のページをご覧ください。

➡️ループス腎炎の種類と治療法・生命予後

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セルセプトの(MMF)の効能・効用

  • 腎移植後の難治性拒絶反応(2次治療以降)
  • 腎・心・肝・肺・膵移植における拒絶反応の抑制
  • ループス腎炎(この記事ではループス腎炎のケースを主に取り上げています)

標準的な内服方法:ループス腎炎の場合

  • 成人:1回250~1,000 mg(1~4錠)1日2回12時間毎に食後経口投与。
  • 年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
  • 重度の慢性腎臓疾患患者では、血中濃度が高くなる恐れがあるので、1回1,000mg×1日2回まで。
  • ループス腎炎では、原則、副腎皮質ステロイド剤を併用すること

と薬の添付文書に記載されています。

セルセプトの副作用

初めて服薬する薬において、効果とともに最も心配なことが副作用です。添付文書を確認すると以下の内容が記載されていました。




セルセプトの重大・重篤な副作用

  • 感染症(頻度不明)
  • 重度の下痢(頻度不明
  • 悪性リンパ種(0.2%)
  • 消化管潰瘍(1.1%)、消化管出血(0.3%)

私は、主治医から、感染症のリスクと下痢のリスクを説明されていました。

個人的には、服薬し始めてからの数日間、頭痛や吐き気などの倦怠感がありました。

また、薬の添付文書に悪性リンパ種が発生すると書いてあり、怖くなりましたが、確率としては、0.2%程度と、決して大きくは内容です。

ただ、他の免疫抑制剤と併用する場合には、悪性リンパ種、悪性腫瘍(特に皮膚)に注意する必要があるようです。

セルセプトは妊娠禁忌催奇形性が報告

  • 警告として、ヒトにおいて催奇形性が報告されている旨が記載されています
  • セルセプトを中止して6週間後には妊娠可能となる可能性もあると記載されていました

セルセプト服薬中は生ワクチンは使用禁忌

  • 類薬による免疫抑制下で生ワクチン接種により発症した報告がある

他の薬との併用注意

  • アザチオプリン、ミゾリビン(免疫抑制剤):骨髄機能抑制がおこる恐れ
  • シクロスポリン(免疫抑制剤):MMFの作用が減弱する恐れ

複数の免疫抑制剤を併用する際には、注意が必要だそうです。

 全身性エリテマトーデス・ループス腎炎の治療に、なぜ免疫抑制剤が必要なのか?

そもそもの私の疑問は、「なぜ免疫抑制剤が必要なのか」ということでした。

ステロイドだけでは、なぜ不十分なのでしょうか。




全身性エリテマトーデスの標準的な治療

  • 全身性エリテマトーデスの治療は、副腎皮質ステロイドを基本としています
  • それに加えて、免疫抑制剤がその有効性の改善ステロイドの減量を目的に使用されるそうです。
  • 中でもループス腎炎に関しては、ステロイド単独よりも免疫抑制剤を併用する方が、寛解率腎生存率にともに優れていることが示されています。

以前の標準治療より、安全性が高いセルセプト

MMFが承認されるまでは、シクロフォスファミド(エンドキサン:世界で最も使用されている抗がん剤の一つ)が標準治療でした。

しかし、シクロフォスファミドは、不妊感染症発ガンなどの大きな副作用があり、問題となっていました。

MMFは、催奇形性が報告されているものの、エンドキサンと比較して副作用が少なく、より安全性が高い免疫抑制剤として認識されているとのことです。

➡️セルセプトはエンドキサンよりも有効で安全みたい




セルセプトの標準的な服薬方法

※あくまで私のケースであり、主治医からの説明を元に執筆しています。

  • 500mg/dからスタートして、まずは薬のアレルギーを確認する
  • その後、血中濃度を見ながら2,000〜最大3,000mg/dまで増やす
  • 免疫抑制剤よりもステロイドを優先して減量する

セルセプトの薬価は(2018年4月以降)高い

  • 先発薬:244.3円
  • 後発薬:121.0円

具体的に計算してみると、先発薬を使用した場合、

  • 1日2000mg:244.3円×8錠/d≒2000円/d×30日≒月間約6万円!高いー!
  • 1日3000mg:月間約9万円
  • 後発薬を使用すれば半値程度になるが、それでも月間3〜5万円!
  • そう思うと、指定難病の医療費給付制度が本当に有難い。

病気になって、仕事にも支障が出て、収入も下がり、医療費もかかるetc, そんなとき、せめても指定難病の医療費給付があって本当に救われています。

ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の作用機序

  • ミコフェノール酸 (MPA)に加水分解されます。
  • MPAは、GTP、デオキシGTPを枯渇し、DNA 合成を抑制します。
  • MPは、結果的にリンパ球細胞の増殖を選択的に抑制します。
  • MMFは、リンパ系以外の細胞への影響が少ないと言われています。

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➡️【保存版】膠原病患者が知っておくべき免疫・抗体検査項目一覧表

ステロイド(プレドニン・プレドニゾロン)

標準治療と副作用

◯副作用:大腿骨頭壊死症骨粗鬆症

◯体験談:ムーンフェイス不眠脱毛・抜け毛多毛症

>>セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)

標準治療と副作用

プラケニル(ヒドロキサンクロロキン

標準治療と副作用

◯副作用:続く眼の違和感主治医の話メモ

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参考リンク

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コメント

  1. […] セルセプトは2000mgから1000mgに減量>治療法と副作用 […]