「病気でも働き続けられる社会を」
そんな方向に、日本社会は向かっていくのでしょうか。
目次
制度・人に恵まれた環境であっても退職したくなる私
私は、今回初めて休職をしました。
有給と休職を合わせて1年間、仕事を休みました。
私の会社は、制度的にも人間的にも非常にいい会社です。
制度的な話は割愛させていただきますが、お給料や手当金、治療費など何一つ心配しなくていいような恵まれた制度が整備されています。
また、上司や部署、人事の人たちもいい人ばかりで
「身体が一番大切だからゆっくりと治療に専念しなさい」
「仕事はいつでもできるから自分のことだけ考えなさい」
「体調がいい時だけ出勤して笑顔でいてくれればいいよ」
みんな優しい言葉をかけてくれます。
こんだけ恵まれた環境にいる私でさえ、復職が苦痛に思うことがあります。
退職して全てから逃げ出したい、そう思うことも少なくありません。
再燃・再発に怯えて何もできなくなる
私の病気は、明確な原因がわかっていないので、安静にしていたからと言って良くなるものではありません。
なので、ある程度まで安定すれば、それ以降は、休職して安静に過ごしている方が良いとは限らず、仕事をして楽しい毎日を過ごしていた方が良いのかもしれません。
でも、再燃・再発することが怖くて、外出したり遊んだり、行動すること自体が怖くなってしまう時があります。
少しづつ活動量を増やしながら、病気の様子を見ていくしかないと思います。
以前のように働くことができない自分を受け入れること
これは、一番辛いことのように思います。
病気になる前は当然にできていたことが、病気になったことでできなくなる。
できなくなった自分を受け入れることはとても辛いです。
今の職場の人たちは、「できた私」を知っていて、「できない私」を知ってもらう必要があります。
それがとても辛いように思えて、いっそのこと、今の職場を退職して、新しい職場で「できない自分」を標準モードとして生きて行った方が楽なのではないかなっと思うことが少なくありません。
「申し訳ありません」「ありがとうございます」と言い続ける苦痛
私は、本当に人に恵まれていて、いつもサポートしてくれる人たちに心から感謝しています。
今の会社の人たちは、家族と同じくらい私のことを思っていてくれていると感じます。
でも、人に迷惑をかけたり、サポートし続けてもらっていると、
「ありがとう」「ごめんなさい」と言い続けることがとても辛くなる時があります。
仕事を突然休んで申し訳ございません。
長期休職をいただきご迷惑をおかけしました。
親切にしていただき感謝しています。
また仕事に復職できて嬉しいです。ありがとうございます。
感謝しているし、申し訳ないと心から思っています。
だからこそ、「ありがとう」「ごめんなさい」の気持ちと心が自分を追い詰めるような、そんな気持ちになることがあります。
復職してしばらくは、「申し訳ございません」「ありがとうございます」祭りになるでしょう。
まっ仕方のないことなので、かるーく考えていきましょ。
病気でも私が仕事を続ける理由
お金が必要だから
病気でも仕事をする一番の理由は、生きていくためにお金が必要だからです。
みんなそうだと思う。
障害者ほど難病患者への経済的・制度的支援は整っていなくて、正直、働かなければ治療をすることもできません。
それに、私は旅行に行ったり、美味しいものを食べたりするのが好きなので、やっぱりお金が必要です。
仕事が好きだから
先日、自宅から出ることができない重度障害者の人が、自宅からAIロボットを操作して飲食店で接客しているという記事を見かけました。
そのとき、
その会社の社長さんは
「効率だけを考えればロボットで自動化すればいいだけのこと。でもそれは違う。AIロボットを自宅から操作した重度障害者の人はみんな「楽しい」と行ってくれた。働きがいを想像することこそ重要なことだ」
と言っていました。
私は妙に心に響いて、なるほどと思いました。
仕事ってお金を稼ぐ手段ではあるけれど、お金を稼ぐという金銭的報酬以上の魅力がたくさんあると思います。
人に出会う、社会に貢献する、ありがとうと言ってもらえるなど、そんな金銭的報酬以外の魅力を私は捨てきれないのかなって思います。