世界的な大人気歌手セレーナ・ゴメスさんは、全身性エリテマトーデス(SLE)であることを公表されています。親友の「フランシア・ライサ」さんからの腎移植されたことで、メディアの注目を集めていましたね。
私も全身性エリテマトーデスとループス腎炎を罹患しています。以前から大好きなセレーナ・ゴメスさんの病気や現在の様子について、お話します。
目次
2016年8月全身性エリテマトーデス(SLE)のため活動休止を発表
セレーナ・ゴメスさんがいつ頃、全身性エリテマトーデス(SLE)を発症されたのかは分かりませんでしたが、2016年8月にこの難病の治療のために活動休止することを発表されています。
セレーナ・ゴメスは、久しぶりに公の場に登場した「アメリカンミュージックアワード」の授賞式(2016年11月)で、休職前の心境を次のように語っています。
「私は立ち止まらなくてはなりませんでした。すべてを手に入れていたのに、内側は壊れきっていたのです」2016年11月セレーナ・ゴメス
そして、応援してくれているファンへの感謝を涙ながらに訴えるという感動的なスピーチをされました。
2017年9月この夏に腎臓移植をしたことを告白
その後、芸能活動を再開されたセレーナ・ゴメスさんですが、
2017年5月、恋人ザ・ウィークエンドのコンサートツアーを観るためにシカゴを訪れていた時に、腎臓の機能が低下して、病院に緊急搬送されたそうです。
そして2017年9月この夏に親友のフランシア・ライサさんをドナーに腎臓移植をされたことを告白されています。
SLE患者が伝えたいこと
セレーナ・ゴメスさんは、薬物治療(化学療法)、腎臓移植、から早期に仕事復帰されていらっしゃいます。
ゴシップな話題について、この場でお話しすることは、適切でないようにも思いますが、SLEについて、どうしても伝えたいことがあったので、執筆するに至りました。
どうしても伝えたいこと。
それは、
薬物療法により日常生活に戻れたとしても、
腎臓移植により、腎機能を取り戻せたとしても、
全ては対処療法に過ぎないということ。
「自分の免疫が全身を攻撃する」SLEが完治したわけではなくて。
SLEの治療は、一生続いていくということ。
その現実を、伝えたいと思いました。
セレーナ・ゴメスさんが大好きです
私は、昔からセレーナ・ゴメスさんが大好きです。彼女の音楽やインタビュー動画で、英語を勉強していました。
私も同じ膠原病・難病の全身性エリテマトーデスの患者の一人として、ステロイドや免疫抑制剤の副作用に苦しんできました。
セレーナ・ゴメスさんもSLEの薬物治療だけでなく、服薬の副作用にも苦しまれているだろなぁと私は勝手に想像しています。
歌手という公の場に出るお仕事なので、ステロイドの副作用に、ムーンフェイスによる外見の変化も辛いはずです。(「太った」なんてゴシップ記事を書く人の神経が信じられません!セレーナを始めとする膠原病患者がどんな辛い思いをして薬物治療をしてきたのか考えたことがありますか!無神経すぎます!!)
ただの会社員である私ですら、ステロイドの副作用であるムーンフェイスが本当に辛くて仕方ないのですから。芸能人や有名人であれば、その辛さややるせなさは計り知れないと思います。
最近、精神的な問題から入院されているという記事を読んだりもしました。その中で、セレーナ・ゴメスさんのメンタルが弱いなんていうコメントも多くみかけました。
でも、私は思うのです。
治療法がない難病になって、薬物治療をして、腎臓まで移植して。
心も体も治療もetc…辛くないわけがないと思います。
精神的に辛くなって当然なほどの困難と闘われているのではないかと。
「親友からの臓器移植」だなんて、美談ばからを取り上げるのではなく、「完治しない」SLEの本当の辛さに、メディアは寄り添って欲しいと思いました!
全ては対処療法、完治することなく、治療は続く
SLEは、
- 臓器障害がない軽度の症状
- 臓器障害がある中度の症状
- 神経障害がある重度の症状
など人によって様々です。
私は、中度の症状です。セレーナ・ゴメスさんも臓器移植をしてらっしゃるので、中度以上の症状であると思われます。
セレーナ・ゴメスさんが、腎移植をされて早期に仕事に復帰されたとき、「病気が治った」と勘違いされた方も少なくないと思います。
腎移植をすることで、週3回4時間以上の透析からは乖離できたかもしれません。しかし、移植された腎臓を守るために、一生免疫抑制剤を飲み続ける必要があります(アメリカでは日本と異なり、免疫抑制剤をオフにできる移植方法があると聞いたことはありますが、真偽は定かではありません)。
免疫抑制剤を一生飲み続けることの副作用もあります。
例え、元気に仕事に復帰しているように見えても、「治療は続いている」ということを理解してほしいと思います。
私も仕事に復職する時には、
「病状は安定したが、完治したわけではなく、一生、治療が必要である」
ということを、理解してもらえるように、話をしていかなければいけないと思っています。