22歳の時に、特発性血小板現象性紫斑病になり100日超の入院を2度繰り返しました。31歳で全身性エリテマトーデス(SLE)になり100日超の入院をしました。正直、難病になってもう10年以上が過ぎていますが、私は病気になったことを未だに受け入れることができていません。
そんなとき、ある一冊の本に出会いました。エリザベス キューブラー・ロス著の「死ぬ瞬間 死とその過程について」という本です。
死ぬこと、病気などを受け入れるためには5段階のステップがあるというお話です。読みながら、私はまだその一段階の「否認と孤立」のステージにいるのだなぁと思いました。
いつかまた希望のステージにたどり着けますように。
第1段階は否認と孤立
多くの人は、「あなたは病気です」と医師に告げられても、しばらくはその事実を受け入れることができずに、「私が病気のはずがない」「何かの間違いではないだろうか」と現実を否認するそうです。
そして、現実を否定することで、孤立してしまいます。まさに今の私の状態のような気がしました。
孤立とは表面的な物理的な孤独のみではなく、精神的な孤立をも指すのでしょう。私は、現実、家族や社会、会社などのコミュニティに属しているように見えますが、精神的にはとても孤立しています。
現実を否定して逃避することで、精神的に内にこもり、精神的に孤立していますね。
第2段階は怒り
病気を否認して逃避した次には「怒り」が訪れるそうです。
「何故私が病気にならないといけないのだ!」というような怒りの感情。
そういえば、私も他人、周囲に対して必要以上に攻撃的になってしまうことが多くあります。自分の中にある解決できないような辛い感情を、例えば全く異なる政治の問題や犯罪などの問題に形を変えて、他人を攻撃してしまうようなことが多くあります。
「みんな楽しそうに生きているのに、何故私だけ病気なんだろう」なんて感情は日常茶飯事ですね。
この怒りを乗り越える方法は「怒りを表に出すこと」なんだそう。
でもこの「怒りを表に出す」というのは、今の私のように怒りの対象をすり替えて、周囲を攻撃することではなくて。おそらく、自分自身の中にある怒りの感情を素直に表現することを指しているのだと思います。
第3段階は取引
怒りの次は、何かにすがろうとするような心理状態になるそうです。
私は標準治療主義ですが、がんや難病など死に直結する病気になった人のうちには民間療法に走る人がいらっしゃいますよね。
第4段階はうつ状態
否認をしても怒っても取引をしても無駄だとようやく分かった後には、うつ状態になります。
今の私も長い長いうつ状態にあるのかもしれません。このうつ状態を抜け出す方法は、ただ人に話を聞いてもらったりするしかなそうです。
この辛いうつ状態を乗り越えれば、ついに受容のステージが訪れます。
第5段階になってようやく受け入れる
ようやく自分が死ぬことについて、ただそのままに受け入れることができるようになるそうです。
どうだろう。今の私は、否認や怒り、うつ状態などのステージにいますね。
人は必ずいつか死にます。人だけでなく、命ある生物は必ずいつか死ぬのです。
他の何かの本で読んだことがあります。「死ぬことを知ることで、より豊かに生を全うすることができる」という言葉を聞いたことがあります。
やはり20歳30歳というと大半の人は大きな病気を経験していないと思う。同じ病気でも、60歳で発病するのと20歳で発病するのは、人生に与える影響は大きく異なると思う。
でも、早くに「死ぬこと」を身近に知ったことで、例えば平均より短い命だったとしても深く濃く幸せに過ごしたいと思う。