大阪大学がSLE増悪の仕組みを発見(2018.7.6リリース)| SLE&Me

先日、大阪大学が、「若い女性に発症しやすい自己免疫疾患全身性エリテマトーデスが増悪する仕組みを発見」と発表しています。

新規治療薬が上市して、実際に私たちが、このメカニズムによる新しい治療を受けるまでには、相応の時間がかかるとは思います。

でも、今回の阪大の成果の他にも SLEに関する多くの研究が進められています。

何よりSLEを研究してくれている人がいる!そして、着実に、研究は進んでいる!

そのことを、SLE仲間の皆様に伝えたくて、この記事を執筆しました。

(あくまで素人患者による執筆です。必ず、阪大の正式なリリースをご確認ください。)

インターフェロンを介したSLE増悪メカニズムを発見

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結論

  • I型インターフェロン産生亢進を介した疾患増悪メカニズムを発見した。
  • 今後、核酸センサー—インターフェロン産生経路をターゲットにした新規治療薬の開発が期待される。
  • 新規治療薬ができれば、ステロイドからの解離への期待が高まる。
  • 評価技術は、バイオマーカーとしての役割も期待される。

インターフェロン産生を介した増悪サイクル

http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2018/20180706_2より)

SLEでは、インターフェロンにより自己抗体産生が誘導され、産生された自己抗体により組織障害が起こる。

そして、組織障害により多くの細胞死が誘導される。

(この表現こわいですね。「自己抗体により細胞死が誘導される」自分で自分の細胞を死なせる)

今回の研究成果では、インターフェロン産生を介した悪循環が形成されていることの一部を解明した。

病状が多岐にわたるSLE

SLEは人それぞれに病気の症状や病態が違うため、画一的な治療法では治療効果を上げることができない。

個人個人により異なる病態に基づいた層別化の必要だが、その方法は確立されていないのが現状である。

ステロイドは副作用が大きい

全身性エリテマトーデスは、治療をしないと命にかかわることも多く、ステロイドや免疫抑制剤を使った強力な免疫抑制療法が行われる。

特に、ステロイド治療は有効性が高い一方で、大量投与や少量であっても長期投与による副作用の懸念が大きい。

(SLEの病状を安定的に保つことができても、ステロイドの副作用に辛い思いをすることも少なくない)

そのため、より安全で効果的な治療方法の開発が必要とされている。

将来的に期待されること

新規治療薬の開発

SLEの患者血液に存在する細胞死由来膜小胞がcGAS-STING経路を刺激してSLEの病態に重要なインターフェロンを誘導していることが分かった。

今後、膜小胞の取り込み・分解や核酸受容体を介したインターフェロン産生経路をターゲットにした新規治療薬の開発が期待される。

新規治療薬により、ステロイドからの解離も期待できる。

評価方法はバイオマーカーとしても期待

この研究で確立したレポーター細胞を用いたインターフェロン活性評価方法は、SLE患者の層別化や、治療法の選択、治療効果判定といったコンパニオンバイオマーカーとしての役割が期待される。

私の気持ち

SLE増悪にかかるインターフェロンを介したメカニズムの一部が新たに解明されたと理解しました。あくまで素人患者の理解です。

ただ、それだけでなく、新しい評価技術を確立している点にも注目しています。評価技術が進歩することにより、一層、研究が加速することが期待できると思います。

まだ、分からないことが多い自己免疫疾患ではありますが、いつか当然に完治できる疾患になって、昔話のように笑える日が来るような気がします。

いつか、お別れできる日まで。たくさん勉強して、生きたいと思います。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。

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