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『全身性エリテマトーデス(SLE)発症までの症状・公開・体験談』
でもお話しましたが、私はSLEの治療を開始するまでの数ヶ月間、全身の痛みと38度を超える高熱など非常に体調が悪く、気力だけで生活しているような状況でした。
入院が決まってからも、仕事の引き継ぎ、一人暮らしの部屋の整理、入院の準備、年明けだったこともあり確定申告など、とても忙しく。
入院病棟に着いて、ベッドに横になったとき、「安心した」というのが、正直な感想です。
「もう頑張らなくていいんだ」
「仕事も生活も忘れて、ゆっくり休もう」
ただ、そう思いました。
抜け殻のごとく、1週間ほどは、夜も昼も寝続けていました。
頭と心、体が、現実世界から切り離されて、軽くなったような気持ちでした。
といっても、この日から100日を超える入院生活の間、
「ステロイドや免疫抑制剤の薬物大量投与とその副作用」、「最強の治療をしているにも関わらず、すごいスピードで悪化する病気」と、とてもとても辛い日々が、この日からスタートすることとなりました。
目次
入院当日は忙しい
入院経験は豊富
私は、30年ほどの人生のうち、合計300日以上の入院生活を過ごしています。
小学生の頃に肺炎になり1ヶ月の入院、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)になってから3ヶ月×2回の入院。
そして今回、全身性エリテマトーデス(SLE)となり3ヶ月の入院となりました。人生のうち計300日以上を入院
入院した大学病院
今回、今回入院した大学病院は、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療で、通い慣れた大学病院です。
でも、 ITPの治療で服薬していたステロイドを10年かけてゼロにできて、1年がたち「難病完治」という言葉が見えてきたタイミングでのSLE発症でした。
本当に辛かったです。
綺麗な病棟
入院した病棟は、2年前に完成したばかりで、とても綺麗でした。
- 冷蔵庫が無料である
- テレビにDVDが付いている
- 大部屋でも個人毎の空調
など、設備が整っており、居心地が良いお部屋でした。
入院の目的は、「腎生検とSLEの治療開始」です。
入院最初の1週間は、「腎臓内科での腎生検」がメインとなります。
入院する日は忙しい
まずは入院受付!
「10時までに受付を済ませて、病棟に到着するように」と言われていたので、家族に車で送ってもらい、9時過ぎぐらいに大学病院に到着しました。
さすがは、朝の大学病院、駐車場が満車で驚きました。
無事、少し遠い立体駐車場に車を停めましたが、以前と比べて駐車料金が超高額になっていて驚きました。入院受付は10人待ちぐらい、記入して来た書類を提出してスイスイ30分ほどで完了しました。
病棟に一人で行く
家族に荷物を持ってもらい、自分の足で歩いて病棟に行きました。
この時は、全身の関節痛がひどく、38度を超える高熱もあったので、高齢の母親よりも遅いぐらいのペースで歩いていました。
入院病棟、フロアに着くと、すぐにベテランと思われる年配の看護師さんが、ベッドまで案内してくれました。
一番奥の部屋の窓際のベッド
私が最も希望するベットに案内してもらえて、ラッキーと思いました(入院しなきゃいけない時点でアンラッキーなのですが。)
「1番奥の部屋の1番奥の窓側のベット」おそらく自己免疫疾患・膠原病などで長期入院する患者にとって、最も人気のあるベットだと思います。
窓際のベッドだとカーテンを開ければ、外に視野が広がりますし、変化のない入院生活の中で、朝夜のブラインドの開け閉め、窓からお外を眺めるだけで気分転換になります。
たくさんの検査
ベッドに案内してもらったものの、休む暇もなく、看護師がやってきます。
バイタルチェック、大量の採血、レントゲン、心電図、蓄尿、排尿日誌など、治療前の検査が本格的にスタートしていきました。
血液検査
体重や身長、血圧や体温、採血(10本)や検尿(4本)など基本的な検査が行われました。
入院直前の血液検査でも、血液型や感染症など、詳細な検査が行われているのでこの1週間でかなりの血液をとられている気がします。
(検査技師さんによると「10本採血しても45mgなのでヤクルト1本にも満たない」そうです。)
手首には、名前や電子カルテにアクセスできるコードが示されたリストバンドがつけられます。
そのほか、病棟内の給湯室やシャワー室の使い方などを一通り教わりました。シャワー室が男女それぞれ2室あり、いつでも使用できることも嬉しかったです。
レントゲン・心電図
午後になると、自分で外来に行き、レントゲンと心電図の検査を受けました。
レントゲンは、胸部と腹部を4回取りました。
心電図は、毎年、会社の健康診断で引っかかっていたのですが、何故か、何も問題もありませんでした。
排尿日記と24時間蓄尿
入院した日から「排尿日記」をつけるように言われました。
オシッコをする度に、時間と尿量を記録します。健康な成人の場合、1日4〜6回程度、合計700〜3000ml程度が適正だそうです。
そして、24時間、すべてのオシッコを貯める「蓄尿」をします。共同のお手洗いに、私の名前が大きく書かれたボックスの中に、尿を貯めていきます。
一通りの検査を終えると、腎生検に向けて、腎臓内科の医師の診察などが行われました。
腎臓内科・腎生検
年配の主治医、中堅の担当医、研修医の3人体制で担当してくださります。
担当医師
外来での初診を担当してくれた方が主治医となりました。穏やかですが、厳しい判断や見解をストレートに伝えてくれる先生で、好感が持てました。
中堅の担当医は、個人的にとても好みでした。白熊ポッチャリ体型で、「仕事できる中堅社員」ってイメージでした。
研修医の先生は、少し頼りない感じもしましたが、親切に真面目に対応してくださり、いつも「何かあればいつでも呼んでください」と言葉に、いつも安心させられました。たった一つの言葉が本当に心強かったです。
大部屋のお話
自己免疫疾患・膠原病での入院は、ステロイドを大量に投与する必要がある場合には、必ず長期入院となります。
1番安い個室でも、差額ベッド代が1万円を超える金額ですので、100日入院すれば、100万円!
私は、いつも、100万円の使い道を妄想しながら大部屋で過ごしています。
聞こえるように文句を言うお隣さん
入院した日は、お隣さまが怖かったです。独り言のように大声で、同じ部屋の人に文句を言うような人でした。
数日後にすぐに退院されて、良かったです。
ご飯ウマー
1日の塩分量が6g/d以下の制限食でしたが、「食事ウマー!」です。おかずがとても好みの味付けで、本当に美味しかったです。
ランチ:白米250g、牛丼の具、オクラ、切り干し大根
ディナー:白米250g、焼き魚と付け合せ、白和え、アスパラのコンソメ煮
塩分6g以下のお食事なのですが、私の好みの味付けで、嬉しかったです。食事は、入院中の唯一の楽しみなので、食事が口に合うことは、大切なことですね。
入院当初は、白米が250gとなっていました。
この日の看護師さんには「制限食なので白米の量を減らすことはできない」と言われましたが、入院生活100日の中で白米を150gにまで減らしてもらうことに成功しました。
入院中の食事は医師と栄養士に相談するべし
入院中の食事は、医師の指示のもと、栄養士さんが工夫を凝らして食事を準備してくれます。
もちろん、病気によって食事制限が必要な場合が多くありますが、入院中に食事を摂ることが辛くなったら遠慮せずに、医師に伝えるか、看護師に「栄養士に相談がしたい」と言ってみてくださいね。
皆様の入院生活が少しでも、辛くない時間になりますように。
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