全身性エリテマトーデス(SLE)持ちへの100の質問|膠原病患者の現状





1:年齢、性別は?
31歳、女性です

2:お仕事は何かされていますか?
大手企業で働いています。

3:趣味は何ですか?
旅行、ゴルフなどが大好きですが、今は主治医から「紫外線禁止令」が出ているので、ゴルフはお休み中です。他にも病気になってランニングや筋トレなどを辞めました。

4:発病したのはいつですか?
2010年(23歳)に特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、2018年(31歳)に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症しました。

5:SLEになって得したことはありますか?
病気になって良かったと思うことは、何一つありません。

6:現在飲んでいるお薬を教えて下さい。
ステロイド(12mg)、免疫抑制剤「セルセプト(1000mg)」、免疫調整剤「プラケニル(1錠)」、降圧剤「ニューロタン(ロサルタン)」、抗凝固剤「ワーファリン」、胃薬「タケキャブ」、コレステロールを下げる薬「メバロチン(プラバスタチン)」、ビタミンB12「メチコバール」、骨粗鬆症予防薬「ベネット」、目薬「フルメトロン」などたくさん。

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7:紫外線対策はしていますか?
SLEの皮膚症状はありませんが、主治医から「紫外線はなるべく避けるように」と言われています。少し高いですが、紫外線カットのサンバリアの日傘と帽子を愛用しています。

8:生活の中で工夫をしていることはありますか?
なるべく気楽に考えて、ストレスを溜めないようにすること、外出から帰宅したら少しの時間でもベットに横になって休むようにしています。

9:入院中は何をして時間をつぶしますか?
愛用のMac Book ProとWi-Fiのルーター、スマホがあれば、十分です。Huluやyoutubeで映画や動画を見たり、アマゾンやブックオフで本を注文して病棟に届けてもらいます。

10:お見舞いでもらって困る物は何ですか?

食べ物と生花は困ります。私が入院する免疫膠原病内科では、感染症予防のために生花の持ち込みが禁止されているので、困ります。食べ物も食べきれないので、困ります。




11:今までに何回入院しましたか?
ITPで2回、SLEで1回、それぞれ3ヶ月程度、入院しました。幼少期には、肺炎で1回入院したことがあるので、合計4回です。

12:心の支えとなってくれているのは誰ですか?
家族と彼氏、また社会人になってから3回、合計10ヶ月程度の入院を優しく受け入れてくれる会社の存在も大きな支えです。治療や生きることが辛くなった時、「会社が待っていてくれる」ということが、とても大きな支えになりました。

13:今の主治医で何人目ですか?
3人目です。ITP(特発性血小板減少性紫斑病)を発症した時の主治医、大学病院の血液内科の主治医、今回SLE(全身性エリテマトーデス)を発症してから、膠原病内科の主治医で、合計3人目です。
14:今後不安なことはありますか?
SLEが再燃すること、プレドニンなど薬の長期使用による副作用、二次的疾患の発症が不安です。また、私はループス腎炎が深刻なので、腎機能が悪化することで、人工透析となる可能性が怖いです。

15:医療従事者に一言どうぞ

いつもお世話になり、ありがとうございます。特に入院中などは、精神的にも支えていただき、感謝しています。

16:医者、看護師などに恋をした経験はありますか?
一番最近、入院したときの一人目の研修医の先生がとても素敵な方でした。真面目で一生懸命で、とてもよく勉強されて、信頼できる先生でした。

17:季節によって体調は影響されやすいですか?
5月頃に再燃・悪化することが多いので、新学期は用心して生活しています。

18:SLEが完治したとしたら何をしたいですか?
ステロイドをゼロにできれば、ムーンフェイスも改善されると思うので、写真をたくさん撮りたいです。また、薬をゼロにできれば、感染症のリスクもなくなるので、衛生状態が良くない途上国などに旅行したいです。

19:SLEのことをどう説明していますか?
「自分の免疫が自分を攻撃してしまう病気です」「私の場合は、腎臓を攻撃してしまいました」「自分の免疫を抑える治療をしているので、感染症に注意しなければいけません」と答えます。

20:特定疾患の医療費制度に感謝の気持ちを!
自己負担の上限が3万円なので、正直、自己負担額は少なくないのですが。特に、長期入院の際には、上限3万円、入院中の食費も安くなるのでありがたいです

21:ムーンフェイス対策はしていますか?

気休め程度ですが、スキンケアするときにマッサージをしたり、顔の体操をしています。

22:今の主治医には満足していますか?

最初は「優しいだけで頼りない先生だな」と思っていましたが、最近は「治らない病気だからこそ優しい先生で良かった」と思うようになりました。基本的に私の意志を尊重してくれます。

23:病院までのアクセス・時間は?

電車で1時間程度です。家族のお休みが合えば車で送ってもらいます。

24:ナースコールはよく使うほうですか?

なるべく、バイタルチェックなどの時に伝えるようにしていますが、必要があれば遠慮なくナースコールを押します。他の入院患者よりも膠原病の入院患者は若い傾向にあると思いますが、同じ患者として入院しているので、辛いときは遠慮する必要はないと思っています。

25:血圧はどれくらいですか?

通常は90/50でしたが、腎臓を保護するために降圧剤「ニューロタン(ロサルタン)」を飲み始めてから80/40まで下がるようになりました。

26:自分で病気の悪化を感じるのはどのような時ですか?

私はループス腎炎があるので、尿が泡立ったりすると、「再燃したかな」っと不安になります。

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27:膠原病以外の科にもかかっていますか?

私はループス腎炎があるので、月に1度、腎臓内科に診ていただいています。その他にも、網膜症の副作用があるプラケニルを服薬しているので、3ヶ月に1度、眼科の定期検査を受けています。また、半年に一度、レントゲンなどの検査も受けています。

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28:今までで一番辛かった治療は何ですか?

ステロイドの大量投与は、心身ともに辛かったです。特にステロイドパルスは、精神崩壊していました。腎生検も辛かったですが、1日の我慢なので、長期にわたるステロイドの大量投与の方が辛かったかな。

29:副作用がないステロイドが実費で使えるとしたらどうしますか?

私は、実費であっても副作用がないステロイドを使用したいと思います。ステロイドの副作用は本当に怖いと思っていますので。月15万程度までなら支払います。

30:障害者と難病患者では扱いが違いすぎると思いませんか?

正直、障害者の方の方が、福祉制度が充実していると思います。例えば、私たちよりもQOLが高い障害者の方が、毎月10万円近い障害者年金をもらっているという現状を不思議に思うことがあります。でも、病気や障害は比較できるものではないので、現行の制度内で生きていくしかないと思っています。

31:腎生検をしたことはありますか?

SLEの治療開始前に行いました。局所麻酔をして生検しますので、痛み自体は大きくありませんが、意識がある中での生検なので気持ち的に怖かったです。

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32:1口で何錠ぐらいのお薬を飲めそうですか?

たくさん飲めます。

33:医療ミスのエピソードがあったら教えて下さい。

検査データの見逃しなど小さなことは多数あります。医者も完璧ではないし、忙しいので、患者である私たちがしっかり理解して治療に臨むことが大切だと思います。

34:入院した時に先生や看護師に何かお礼をしたことはありますか?

ないです。大学病院などの公的な病院にしか入院したことがないので、贈り物やプレゼントは禁止されています。禁止されている以上、お渡ししないことがマナーだと思います。ちなみに私立の病院に入院する際は、お金を包んでお渡しします。

35:SLEの活動をどの検査で判断していますか?

抗核抗体や補体、腎臓の状態など。医者任せにせず、自分でしっかり理解しながら治療を進められるように、努力しています。

36:入院の期間を利用して何か遣り遂げたことはありますか?

いつも「せっかく時間があるので、何か成果を残そう」と考えはするのですが、何もせずに終わってしまいます。正直、入院中は治療がハードです。

37:お酒は飲みますか?

症状が安定していた寛解期には、お酒も飲みます。ただ、今は、ようやく急性期を脱出した段階なので、1年ほどアルコールは飲んでいません。

38:病院にはどれぐらいのペースで通っていますか?

まだ維持期に入っていないので、2〜3週間に1回のペースで通っています

39:セカンドオピニオンについてどうお考えですか?

必ずしも必要ではないと思いますが、膠原病の治療方針などは病院や主治医によって大きく異なることもあるので、私は、セカンドオピニオンについて前向きに考えています。保険適用外なので、お値段はかかりますが、患者の正当な権利だと思っています。

40:ステロイドパルスを何回やったことがありますか?

1番最初にITPを発症したときに1回のみです。今の主治医は「生命の危機がある時にしかステロイドパルスはしない」と言っていました。

41:主治医には言いたいことをすべて伝えれていますか?

伝えるように努力しています。

42:寝付けない夜はどうしていますか?

スマホを触って、さらに眠れなくなります。目を瞑って、瞑想するのが良いのかなって思いながら。

43:SLEの他に何か病気はありますか?

APS(抗リン脂質抗体症候群)、シューグレイン症候群などいくつかの自己免疫疾患を発症しています。その他、ステロイドの副作用によりコレステロールが高めです。

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44:何か使っている健康器具・健康食品などはありますか?

何もありません。むしろ、なるべくシンプルに生活するようにしています。治療の基本は、標準治療です。

45:SLEを研究をしてくださってる方々にメッセージをお願いします。

SLEが完治する病気になる日を楽しみにしています。そう遠くない将来に、実現すると信じています。

46:今までに病院に行くのをサボッたことはありますか?

寛解期には、仕事などの他の予定を優先することもありました。でも、調子に乗って、病院を先送りにしている間に、再発して大きなダメージを受けたことがあるので、本当に反省しています。

47:だいたい何時に起きて何時に寝る生活をしていますか?

今は休職中なので24時頃に寝て、8時頃に起きています。仕事をしている時は、6時前に起きて22時頃には寝るようにしていました。

48:身内に膠原病の人はいますか?

誰一人としていません。母方も父方も長生きの家系なので、「何故私だけ難病になったのか」と思う気持ちがあります。

49:今の体調はどうですか?

良くもなく、悪くもなく。日によって変化が大きいです。

50:SLEの重症度はどの程度ですか?

腎障害・腎炎がしっかりとあるので、中症から重症だと思っています。臓器障害がない軽度の方が羨ましいですが、中枢神経障害がある重症の方も大変だと思います。

51:食事制限はありますか?

ループス腎炎があるので、塩分6g以下、たんぱく質も摂りすぎないように注意しています。

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52:ネットでの良い話を教えてください。

リアルな病気友達がいないので、同じSLE患者さんとの交流は、情報交換だけでなく、精神的な支えとなっています。また、腎臓を悪くしたことで、人工透析に怯えていましたが、人工透析をしながら楽しく生活している人と出会い、透析への恐怖感が楽になりました。

53:SLEになって一番嫌なことは何ですか?

どうしても再燃・再発に怯えながらの生活になってしまうことが辛いです。また、病気が悪化して、人工透析になるリスクにも怯えています。

54:SLEになってから旅行に行きましたか?

SLEになってからは、まだ寛解状態になっていないので、旅行には行っていません。ただ、ITPが安定していた時には、国内旅行だけでなくタイのバンコク、上海、ベトナムのハノイなどアジアへの海外旅行にもたくさん行きましたので、SLEも寛解すれば、国内外の旅行も楽しむことができると思います。

55:長期入院や治療中の経済状況について教えてください

これまで3回の入院のうち、2回は有給を使ってお休みをしたので、お給料を会社からいただいていました。今回は、有給を使い果たして、会社を休職しているので、傷病手当金をいただいています。いずれも、とても良い制度が整っており、病気である私を暖かくサポートしてくれる会社には、本当に感謝しています。

56:家族は病気のことをどのように感じていますか

医療従事者である親戚は、治療方針など具体的な相談にも乗ってくれます。両親や兄弟は、SLEについては、何も理解していないように思います。ただ、感染しやすいことや疲れやすいこと、腎臓病の食事制限などについては理解して、サポートしてくれるのでありがたいです。

57:将来の夢はありますか

病気になる以前は、「マクロに自分の生きた証を残したい」と考えていましたが、今は「ミクロに自分の生きた証を残したい」と思うようになりました。私が死んだ後、誰か一人でいいので、私のことを覚えていてほしいです。

58:好きな食べ物は何ですか?

水分とフルーツ、お刺身が好きです。腎臓がもっと悪くなって透析になると、カリウムや水分の排出ができなくなるので、フルーツや生野菜、水分の制限が必要になると聞きました。フルーツや水分が大好きなので、人工透析は、避けたいです。

59:オススメの闘病ブログ・本を教えてください

毎日読んで、励まされている闘病ブログはいくつかありますが、ここで紹介することは控えます。私は、愚痴をいってばかりですが、多くの人が病気と闘って、折り合いをつけながら自分らしく生きていらっしゃる姿には、本当に励まされます。闘病の本は、数多く読みました。膀胱癌になられた竹原慎二さんの著書など、中でも同世代の黒木奈々さんの著書には共感することが多かったです。

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60:SLEで腎移植をされたセレーナ・ゴメスさんに一言

疲れたので、60まででアップしました。随時100まで更新していきますね。

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