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ループス腎炎
難病「SLE(全身性エリテマトーデス)」を発症した人のうち約50%が、「ループス腎炎」と言われる腎臓の障害を合併します。
適切な治療やタイミングを逃すと人工透析に至ることもあります。そのため、全身性エリテマトーデスの生命予後を大きく左右する病状のひとつです。
症状
ループス腎炎とは、腎臓で尿をつくっている糸球体が壊れてしまいます。
ただ、初期症状はあまりありません。腎臓が一定以上に悪くなると、顔や手足、全身がむくんで、体重が増加します。
初期症状がないために治療が遅れてしまうことが少なくありません。無治療で放置すると透析をしなくてはならない状態になることもあります。
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そのため、
- 急激な体重の増加
- 全身のむくみ
などの症状に注意しましょう。
尿検査が重要です
定期的に尿検査を行い、早期発見・早期治療を行うことが重要です。
尿蛋白の陽性が続くなど、腎炎が疑われる場合には、腎生検をして適切な治療を行います。
腎生検
ループス腎炎が疑われたときは、腎臓の一部を採取(腎生検)し、組織を顕微鏡で実際にみることで、適切な治療を選択します。
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ループス腎炎は、顕微鏡の所見に基づいてI~VI型に分類されます。(参考:慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト)
ループス腎炎の6つの種類
ループス腎炎の6つの種類を判断するために、腎生検を行います。腎生検の結果から、以下の6種類に分類されます。
I | 微小メサンギウム ループス腎炎 | 組織はほぼ正常、蛍光抗体法でメサンギウムに免疫沈着物を認める。 |
II | メサンギウム増殖性ループス腎炎 | メサンギウムに限局した細胞増多もしくはメサンギウム基質の拡大が認められ、メサンギ ウムに免疫沈着物がある。 |
III | 巣状ループス腎炎 | 全糸球体の50%未満に病変が存在 |
Ⅳ | びまん性 ループス腎炎 | 全糸球体の50%以上に病変が存在 |
Ⅴ | 膜性ループス腎炎 | 上皮下免疫沈着物を認める。 |
Ⅵ | 進行した硬化性
ループス腎炎 |
90%以上の糸球体が全節性硬化を示し、すでに活動性はない。 |
治療方法
Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型の活動性病変がある場合には、ステロイドや免疫抑制剤を使用して寛解導入を目指します。
- 特に増殖性ループス腎炎(III・Ⅳ)では、腎機能が悪化するリスクが高く、最近(2016年頃)作成された海外のループス腎炎の診療ガイドラインでは、強力な免疫抑制が推奨されています。
ちなみに私は最も予後不良と言われるループス腎炎Ⅳ型でした(➡️腎生検の結果報告と治療方針)
ステロイド+免疫抑制剤
- 副腎皮質ステロイド薬の大量投与を行います。
- 必要に応じて、免疫抑制剤「セルセプト」、抗がん剤「エンドキサン」を投与して、寛解導入を行います。
以前は、ステロイドの効果が十分でない場合には、抗がん剤の「エンドキサン」が使用されていました。しかし2015年に免疫抑制剤のセルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)が承認されてからは、エンドキサンよりも副作用が少なく効果が高いとして免疫抑制剤「セルセプト」を使用することが主流となっています。
➡️詳しくは:セルセプトはエンドキサンよりも有効で安全|治療体験談
マルチターゲット療法
- 近年では、マルチターゲット療法としてミコフェノール酸モフェチルにカルシニューリン阻害薬である「プログラフ」タクロリムスを組み合わせて投与する治療法なども行われます。
➡️詳しくは:マルチターゲット療法(セルセプト+プログラフ)はエンドキサンより寛解達成率が高い
寛解導入後は維持療法
- 初期治療がうまくいったあとは、維持療法に移ります。
- 維持療法は、再燃を予防することとステロイド使用量を減らす目的で行われ、アザチオプリン(商品名:イムラン®、商品名:アザニン®)やミコフェノール酸モフェチルなどが用いられます。
(2016年10月31日一般社団法人日本腎臓学会「成人ループス腎炎の予後に関する観察研究」研究計画書を参考にしました。)
●腎臓●
●最新の研究成果●
>大阪大学がSLE増悪の仕組みを発見(2018.7.6リリース)
コメント
12才になる娘がSLEと診断されました。
生腎検をうけ、Ⅳの結果をうけました。
2月の初めに入院しましたが、今思えば、9月頃から症状を訴えていました。紅斑で皮膚科を受診していましたが、改善されないため大きい病院を紹介してもらい、血液検査を受けて直ぐ、そのまま大学病院へ行くよう指示され入院しました。
この先、不安でいっぱいです。
早く気付けなくて、申し訳なくて。
闘病の前向きな様子を参考にしたいと思います。
こんにちは。お母様の立場では、また感じることも違うのでしょうね。
渡邉優さんにコメントをいただき、
私の病気について、母親はどう思っているのだろう、なんて考えてしまいました。
私は前向きに闘病できていないと思います。
特にこの1年間は毎日のように泣いていますし、自分自身の行動、生きてきた道のどこにSLEの原因があったのかとか、
色々とネガティブなことばかり考えてしまいます。
渡邉優さん、ご自身を責めないでくださいね。
私は、病気を受け入れることや治療自体が辛くて、家族、特に母親に八つ当たりすることが多くあります。
それでもどんな時でも愛情を注ぎ続けて見守っていてくれる母親の存在には、本当に救われています。
30歳を過ぎたおばちゃんの私でも母親に甘えきって頼って愛情を感じたくて、八つ当たりしている状況です。
きっと娘さんにとってもお母様の存在が何よりの支えになると思います。
偉そうにごめんなさい。私もループス腎炎Ⅳ型なので、娘さんと同じですね。
また、お話させていただけると嬉しいです。コメントありがとうございます。