ステロイド(プレドニン)には、様々な副作用がありますが、その中でも大腿骨頭壊死は、生命予後への影響が大きいです。
大腿骨壊死症となると、歩けなくなったり、外科的な手術が必要となるケースもあります。
そんなステロイドの副作用の中でも重篤と思われる大腿骨頭壊死症について、患者が理解しておきたいポイントを解説します。
**********
**********
ステロイド投与後の大腿骨頭壊死
ステロイドの大量投与後に、大腿骨頭壊死症を発症することがある。
診断
大腿骨頭壊死症は、
単純レントゲンで明瞭でない場合でもMRI撮影では感度良く診断される。
原因
大腿骨頭壊死症は、国が指定する難病であるが、リスク因子として、
- 大腿骨頸部骨折などの外傷
- ステロイド投与
- SLE
- アルコール摂取
- 高脂血症
- 高尿酸血症
- 過凝固
など多くの要因が関与するとされています。
何故ステロイドにより大腿骨頭壊死症となるのか?
ステロイドによる骨壊死の機構として、
- 高脂血症による微小塞栓
- 骨髄内脂肪細胞の増大による血流阻害
- 静脈内皮障害から静脈鬱帯をきたし骨内圧を上昇させ骨壊死に至る
などの仮説が提唱されています。
どんな場合に発症しやすいのか?
ステロイド総投与量やステロイド投与期間よりも
初期投与量が多い場合に骨壊死をおこしやすく、
またムーンフェイスなどのクッシング様外見を呈すると
骨壊死をおこしやすいという報告がある。
SLE患者では3~30%の頻度で骨壊死が生じるとされる。
治療開始後1年目にMRIで異常がなければ以後の骨壊死のリスクは低いとされるが、
年余を経て発症することもある。
確率された予防法はないものの・・・
ステロイドの大量投与時やステロイドパルス療法を行う際には、
- ワーファリンや脂質降下剤の併用を勧める論文があったり
- 凝固亢進のためヘパリン(10000単位/day)を併用することもあります。
参考にしたサイト
**こちらの記事もたくさん読まれてます**
**こちらの記事も人気です**
【保存版】膠原病患者が知っておくべき免疫・抗体検査項目一覧表
>>ステロイド(プレドニン・プレドニゾロン)
>>セルセプト(ミコフェノール酸モフェチル)
>プラケニル(ヒドロキサンクロロキン)
関連記事:免疫抑制剤と後発薬使用(ジェネリック)