約10年の特発性血小板現象性紫斑病(ITP)を経て、2018年に全身性エリテマトーデス(SLE)を発症しました。
大学病院に入院して、腎生検、プレドニン60mgからスタートした全身性エリテマトーデスの1年間の治療記録をまとめます。
目次
服薬記録
とても見にくくて申し訳ないのですが、私のプレドニン・セルセプト・プラケニルの服薬状況をまとめました。
特にステロイドの減量については、インターネットを調べて見ても、体験談的な記録が少なかったので、誰かのお役に立てれば嬉しいなと思います。
ステロイド(プレドニン)
3/9-60m→3/23-55mg→3/30-50mg→4/7-45mg→4/14-40mg→4/21-36→5/5-34→5/12-32mg→5/19-30mg→5/26-28mg→6/9-26g(退院)→6/21-24mg→7/5-22mg→7/12-21mg→7/19-19mg→8/10-17mg→8/16-16mg→9/13-14mg→9/27-13mg→10/11-12mg→11/1-11mg→→→12/6-10mg→12/20-9mg
セルセプト(MMF)
3/14-0.5g→3/16-1g→3/22-1.5g→3/22-2g→6/2-1.5g(退院)→6/21-1g→
プラケニル
4/4-200g→4/21-300mg(退院)11/1-200mg
(補体やクレアチニンの推移もまとめて後日更新しますね!)
では、早速、詳しい治療経過をまとめていきますね!
2018年3月 腎臓内科・膠原病内科に入院
発症
2018年3月に、膠原病の一つである『全身性エリテマトーデス(SLE)』『ループス腎炎』を発症して、大学病院に入院しました。
私は、症状が出始めてから、しばらく放置していたので、入院前は死にそうなほど体調が悪く、治療が遅れたことで、内臓へ大きなダメージが残りました。
似たような症状で、原因が分からないまま過ごしている人がいれば、できるだけ早く大きな病院に行ってくださいね。私は、治療が遅れたことを本当に後悔しています。
腎生検
入院すると腎臓の状態を調べるために腎生検を行いました。腎生検自体よりも、その後に24時間ほどベットの上で安静に過ごさないといけないことが大変でした。
これから腎生検を受ける方、ビビる必要はないと思います。
➡️腎生検の体験談
腎生検の結果
腎生検の結果は、ループス腎炎Ⅳ+Ⅴ(a)型で、腎臓が悪いと現れる半月体まであるという、良くない状態でした。ループス腎炎Ⅳ型なので、病勢が強くステロイドや免疫抑制剤を用いて強力な治療を実施する必要がありました。
治療開始
全身性エリテマトーデス(SLE)の標準的な治療方針としては、ステロイド(プレドニン)+必要に応じて免疫抑制剤「セルセプト」、免疫調整剤「プラケニル」を追加していくことが一般的だそうです。(あくまで、私の場合、私の主治医の話です!)
追加治療
ステロイド+セルセプト+プラケニルで十分な効果が出ない場合には、追加治療として、タクロリムス(プログラフ)を追加したマルチターゲット療法やエンドキサンなどが検討されます。
➡️マルチターゲット療法はエンドキサンより寛解達成率が高いらしい
(このサイトでご紹介している内容は、あくまで私の体験談であり、個人個人によって治療方針は異なります。私は、SLEの中では中度〜重症程度だと思われますが、軽症の方は無治療の人もいらっしゃいますし、ステロイドだけで治療されている人もいらっしゃいますよ。)
治療の経過
私は、主治医に「ここまで勢いの強いループス腎炎は初めてだ」と言われるほど、治療効果がでませんでした。入院して、ステロイド60mg・セルセプト・プラケニルを大量投与し続けても、腎機能の低下が続きました。
eGFRは、入院時には70ありましたが、1番悪い時で33まで低下しました。思い出したくもありませんね。
下肢血栓までできた
全身性エリテマトーデス(SLE)の人は、抗リン脂質抗体症候群(APS)を併発することもあるそうです。残念ながら、私も抗リン脂質抗体症候群(APS)を発症していました。
抗リン脂質抗体症候群(APS)は、血栓ができやすくなる病気で、血栓が心臓に飛べば心筋梗塞、脳に飛べば脳梗塞になるなど、命に関わる大変な病気です。
ただ、抗リン脂質抗体症候群(APS)の抗体を持っていても、実際に血栓症として発症することは多くないそうです。しかし、残念ながら私はしっかりと血栓症を発症してしまいました。
ふくらはぎから膝上まで、血栓ができました。いわゆる「深部静脈血栓症」です。
主治医曰く、「ひざ下の血栓が心臓や脳に飛ぶ可能性は、ほぼないので心配しなくていいですよ」と言っていましたが、脳梗塞とか心筋梗塞とか、とても怖かったです。
ヘパリンを5日ほど点滴して、現在はワーファリンを継続して服薬しています。
100日入院して退院
3月から6月まで100日を超える入院生活を過ごしました。このころは、身体も心もとても辛くて、治療の記録をとることができていません。
毎日、ただ時間が過ぎることを待っていたように思います。今、何か書こうと思い出そうとするだけで、涙がでてしまいます。
だから、飛ばしちゃいますね。笑
もう少し時間が経ったら、またいつか追記したいと思います。
2018年7月
プレドニン26mgで退院してからは、ステロイドを2週間2mgペースで減量しました。
3月に入院治療を開始して5ヶ月、退院してまだ1ヶ月も経っていない状態で、大学病院に一人で通院することもできませんでした。
家族に車で送ってもらったり、タクシーで通院していました。
2018年8月
あまり何も変わらず、病院に行く以外は、外出もできないような体調でした。このまま、死ぬまで病院と家の往復で終わるのかななんて、ベッドの中で考えていました。
秋ごろまでは、本当に辛かったです。
入院中1.39まで上昇したクレアチニンは、退院時で1.2程度、この頃には1.0前後で推移するようになりました(現在も1.0前後で安定しています)。
2018年9月
全身性エリテマトーデスを発症したとき、「測定不能」なほど異常な値だった抗DNA抗体が初めて適正値になりました。
「薬の力ってすごいな」と思うとともに、「なんでもっと早く治療しなかったのかな」と後悔ばかりしていました。
2018年10月
この頃からは、何かがよくなることもなく、悪くなることもなく、ありがたいことに特別、書くこともない気がします。
2018年10月
セルセプトを2000mgから1000mgに減量しました。セルセプトは、血中濃度を見ながら服薬量を調整します。
セルセプトを減量してから胃痛が改善されたような気がしました。この頃から少しずつ食欲がわいてきて、駅まで歩いてみたりできるようになりました。
電車に乗って出かけてみよう」と思ったものの、駅に行くだけで疲れてしまい、そのままタクシーで帰宅したこともありました。
2018年11月
ステロイドは、12mgから11gに減量することができました。また、プラケニルも1錠2錠を隔日に飲んでいましたが、毎日1錠に減量することができました。
2018年12月
プレドニンは、11mgから10mgに減量することができました。2018年内に10mgを目標にしていたので、計画通りに治療が進んでいて一安心です。
そのほかの薬は、免疫抑制剤のセルセプト1000mg(朝夜2錠ずつ)、プラケニル1錠、タケキャブやメバロチン、ワーファリン、ベネットなどは変化ありませんでした。
クレアチニン0.9~1.0、eGFR50~55程度で推移しています。(入院中には、クレアチニン1.39、eGFR33でした。)
2018年は、私のこれまでの人生の中で、最も大きな壁にぶち当たった1年だったように思います。病気になって良かったと思うことは、何ひとつありませんが、それでも学んだことは多くあります。
発症したとき、入院治療中は、再び日常生活に戻る自分の姿が想像できませんでした。一生、入院していたいとさえ思いました。
それでも、今は、自分の足で歩き、日常生活を送ることができるまでに回復しました。
発症前と比べて、できなくなったこともあります。それでも、それなりに、命ある限り、生きて行くんだろうなと思います。
それなりに、それなりに、のんびりと、2019年も過ごしていきたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。気軽にコメントなど残していただければ、嬉しいです。
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